病気の説明書(第1.1版) ご使用ガイド
「高インスリン血性低血糖症 病気の説明書」は、当疾患のお子様が保育園や幼稚園、小中学校に就学される際や学年が上がり担任の先生が変わる際などに、受け入れ施設側の方に病気のことや必要なケアについてわかりやすく伝えることを目的にしています。ただし、病気の状態や必要なケアはお子様によって大きく異なりますので、冊子8ページ「患者本人について知っていただきたいこと」のテンプレートを使用して、よりお子様の実態に合った情報を提供することが重要になります。
「患者本人について知っていただきたいこと」の使い方
パワーポイントファイルの編集と印刷が可能な方は、下記リンクからテンプレートをダウンロードしてご使用ください。そのような環境がない方は直接冊子に記入し、そのページをコピー機でコピーして使用することをおすすめします。
- 「患者本人について知っていただきたいこと」記入テンプレート(ダウンロード)
また、生成AIを用いてお子様の病気についての分かりやすい説明画像を作る方法も、患者会員の保護者の間で実践されています。下記リンクからプロンプト例をダウンロードし、ご自身用にカスタマイズしてご使用ください。
- ChatGPTを用いたお子様の病気に関する説明画像(インフォグラフィック)作成用プロンプト例(ダウンロード)
記入例
以下に、4人の架空のお子様をモデルとした記入例を紹介します。ご自身のお子様の情報を記載する際の参考にしてください。
1. 保育園就園前 | 血糖測定と経管栄養が必要な例
- 病気・治療の状態: 先天性高インスリン血症があります。食事と薬に加え、胃ろうからの栄養補給と定期的な血糖測定が必要です。低血糖でも分かりやすい症状が出ないことがあるため、入園後も決められた時刻の測定をお願いします。
- 食事について: 給食は口から食べられます。昼食後には、食べた量とは別に、主治医の指示書で決められた補助栄養を胃ろうから注入する予定です。嘔吐した場合や給食をほとんど食べられなかった場合は、その日の対応を確認するため保護者に連絡してください。
- おやつ・補食について: 10時と15時に、家庭から持参する補食を食べます。行事などで時刻が変わる日は、補食の時間が大きくずれないよう事前に相談させてください。補食の内容と量は別紙に記載します。
- お薬について: ジアゾキシドを朝と夕方に家庭で服用しています。園での与薬は現在予定していません。変更があればお伝えします。
- 血糖測定について・普段の血糖値: 登園前は家庭で測定します。入園後は、昼食前、午睡後、低血糖が疑われるときに、園で決められた担当者による測定が必要です。最近、家庭で測った食前の値はおおむね60~70 mg/dLです。測定方法、対応が必要な値、再測定の時刻は主治医の指示書をご確認ください。
- 低血糖時の様子・対応: 顔色が悪くなる、遊びをやめてぼんやりする、普段より反応が鈍くなることがあります。気になる様子があればすぐに担当者へ知らせ、事前に確認した緊急時の手順に沿って対応してください。意識がはっきりしない、けいれんしているなどの場合は119番へ連絡し、口から飲食物を与えないでください。保護者にも速やかに連絡をお願いします。
- その他配慮してほしいこと: 測定器具、補食、胃ろうの物品は置き場所を決めて保管したいです。胃ろうの管が抜けた、栄養を予定どおり入れられない、発熱や嘔吐で食べられない場合の連絡・対応を、入園前に一緒に確認させてください。園外活動や災害時にも、補食と緊急時の連絡手順を引き継いでいただけると助かります。
2. 保育園就園前|毎日の補食と、まれな低血糖時の対応が中心の例
- 病気・治療の状態: 先天性高インスリン血症があります。現在は朝と夕方のお薬服用と血糖測定のほかは日常的な医療的ケアを必要とせず、規則的な食事と補食で過ごしています。体調が悪い日や食事の間隔が空いたときには、まれに低血糖が起こるため、様子を見ていただきたいです。
- 食事について: 通常の給食を食べられます。主食をほとんど食べられなかった日や、食事中に吐いた日は保護者に連絡してください。食べられなかった分をどう補うかは、あらかじめ相談して決めた方法で対応します。
- おやつ・補食について: 毎日10時と15時に、家庭から持参する小さなおにぎりなどの補食を食べます。本人が「おなかがすいていない」と言っても、食べた量を確認してください。遠足などで時刻が変わる場合は、事前に相談させてください。
- お薬について: ジアゾキシドを朝と夕方に家庭で服用しています。園での与薬は現在予定していません。
- 血糖測定について・普段の血糖値: 主治医と相談し、園での定期的な血糖測定は予定していません。家庭で体調がよい日に測った食前の値は、おおむね85~110 mg/dLです。症状が出たときの測定の要否と方法は、入園前に園と確認します。
- 低血糖時の様子・対応: 急に元気がなくなる、顔色が悪くなる、普段より口数が減ることがあります。本人が意識を保ち、安全に飲み込めるときは、事前に取り決めた補糖を行い、すぐ保護者に連絡してください。意識がはっきりしない、けいれんしているなどの場合は119番へ連絡し、口から飲食物を与えないでください。
- その他配慮してほしいこと: 本人はほかの子と同じように遊べます。外遊びや遠足にも参加したいので、活動が長くなる日や食事が遅くなる日は、補食の持参・時刻を事前に相談させてください。体調不良で普段どおり食べられない日は、早めに連絡をお願いします。
3. 小学校入学前|血糖測定と経管栄養が必要な例
- 病気・治療の状態: 先天性高インスリン血症があります。家庭では、食事、薬、血糖測定、胃ろうからの栄養補給を組み合わせて管理しています。入学後も授業時間中の血糖測定と、給食後の胃ろうからの栄養補給が必要です。体調や血糖が安定しているときは、通常の授業や活動に参加できます。
- 食事について: 給食は口から食べます。食後に、決められた量の補助栄養を胃ろうから注入する予定です。給食を大きく残した場合や嘔吐した場合は、通常と対応が変わるため、担当者から保護者へ連絡してください。
- おやつ・補食について: 午前の休み時間と下校前に、家庭から持参した補食を取ります。授業や行事で予定時刻に食べられない場合は、本人を長く待たせず、担任と医療的ケアの担当者で時間を調整してください。種類と量は別紙に記載します。
- お薬について: ジアゾキシドを朝と夕方に家庭で服用しています。学校での与薬は現在予定していません。薬の変更があれば学校にお伝えします。
- 血糖測定について・普段の血糖値: 家庭では登校前に測定します。入学後は、給食前、下校前、症状があるときなどに、学校で決められた担当者による測定が必要です。最近、家庭で測った食前の値はおおむね70~90 mg/dLです。測定する時刻、体育の前後に追加測定が必要な条件、対応が必要な値は主治医の指示書で共有します。
- 低血糖時の様子・対応: 「疲れた」と言って座り込む、返事が遅くなる、話がかみ合わなくなることがあります。本人から言い出せない場合もあるため、気づいた先生は担当者にすぐ伝えてください。測定と補糖は、事前に確認した緊急時の手順に沿って行います。意識がはっきりしない、けいれんしているなどの場合は119番へ連絡し、口から飲食物を与えないでください。保護者にも速やかに連絡をお願いします。
- その他配慮してほしいこと: 補食や医療的ケアが必要な理由を、本人の希望を聞かずにクラス全体へ説明しないでください。体育、校外学習、避難訓練の日も参加できるよう、補食・測定器具の携行と担当者間の引き継ぎを事前に相談させてください。胃ろうの管のトラブルや、予定どおり栄養を入れられないときの連絡手順も確認したいです。
4. 小学校入学前|毎日の補食と、まれな低血糖時の対応が中心の例
- 病気・治療の状態: 先天性高インスリン血症があります。現在は朝と夕方のお薬服用と血糖測定のほかは日常的な医療的ケアを必要とせず、決まった時間に食事と補食を取ることで安定しています。食事が遅れたときや、体調不良で食べられないときには低血糖が起こることがあります。
- 食事について: 通常の給食を食べられます。主食をほとんど食べられなかった場合や嘔吐した場合は、午後の活動に入る前に保護者へ連絡してください。給食時間が大幅に遅れる行事では、補食の時間を事前に相談させてください。
- おやつ・補食について: 毎日、午前の休み時間に家庭から持参した小さなおにぎりを食べる予定です。6時間授業の日や放課後の預かりを利用する日は、午後にも補食を持参します。食べる場所と時刻は、入学前に学校と決めたいです。
- お薬について: ジアゾキシドを朝と夕方に家庭で服用しています。学校での与薬は現在予定していません。
- 血糖測定について・普段の血糖値: 主治医と相談し、学校での定期的な血糖測定は予定していません。家庭で体調がよい日に測った食前の値は、おおむね70~90 mg/dLです。低血糖が疑われるときの対応は、測定できるかどうかにかかわらず、事前に学校と確認した手順に沿ってお願いします。
- 低血糖時の様子・対応: 急に静かになる、顔色が悪くなる、「力が入らない」と言うことがあります。本人には先生に伝えるよう教えていますが、自分から言えないこともあります。意識がはっきりしていて安全に飲み込める場合は、取り決めた補糖を行い、保護者に連絡してください。意識がはっきりしない、けいれんしているなどの場合は119番へ連絡し、口から飲食物を与えないでください。
- その他配慮してほしいこと: 体育や校外学習にも参加したいと考えています。運動が長引く日、給食が遅れる日、下校時刻が変わる日は、補食を取るタイミングを事前に相談させてください。本人だけに体調管理を任せず、慣れるまでは食べたかどうかを先生にも確認していただけると助かります。